MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2016-02-28

ムシムシ探検隊 2月の模様

2月のムシムシ探検隊は、諏訪の森公園。去年の初夏6月以来です。

また、ちょうど1年前、去年の2月も、同じく諏訪の森公園を探検しました。あのときは曇天で寒かった…。
今年は、うってかわって暖かな日差しの中で探検できました。
樹木のスキマなどで、まだじっとしているモードのムシがいくつも見つかりました。

テントウムシと、謎のヒョウタン

集団越冬する、体長3mmほどの小型のテントウムシたち。
模様とサイズはベダリアテントウっぽいですが、それにしては光沢が強いようにも思え、要検討です。
ほかにもテントウムシ類は、前回1月にも発見できたウスキホシテントウ、全身黄色のキイロテントウなどがおりました。

さて、左側の矢印の先、平べったいヒョウタンのようなものも、ムシです。マダラマルハヒロズコガという蛾の幼虫の巣です!巣ごと移動することができます。
通称ツヅミミノムシ、漢字で鼓蓑虫(ただしミノガとは違う仲間)ともいうようです。
成虫は夏に現れる、体長2cmほどの地味めなガです。

マダラマルハヒロズコガ幼虫の本体

巣は、二枚貝のように表裏2枚合わせになっていて、うまくやるとパリッとはがすことができます。
分解してみると(ごめんね~^^;)中から平べったいイモムシ状の幼虫が出てまいりました。
合わせ目の部分にはスキマがあります。幼虫はそのスキマから頭を出して、エサをたべます。
枯葉や樹皮をたべる…といわれていたのですが、じつは、アリの幼虫などを食べる肉食性の蛾であることがわかったそうです。

みんなも目が慣れて、続々発見モードに入ってまいりました!今回は、ちいさな変わったムシも見つかりましたよ!

カニとラクダ

おや?手に乗っているのはちっこいサソリ? 
…これは、カニムシ。昆虫ではなく、クモに近い仲間のムシです。3mmくらいの小型のムシで、身体の割に大きなハサミを構えています。なんかカッコイイです!
カニムシ類にもいくつか種類があるのですが、同定がむずかしいのですねぇ…これも要検討ですね。

またまた風変わりな細長いムシ発見。これは何?昆虫? …これは、ラクダムシの幼虫です。アミメカゲロウ目(広い意味でのウスバカゲロウの仲間)の昆虫です。
幼虫は朽ち木などを食べているそうです。
成虫の体形が、ちょっとラクダっぽいことから、ラクダムシ、だそうです。

小さくて地味ながら、よくみると波模様がかわいいチビタマムシ類も数匹を確認。
タマムシ類といえば、昨年の6月にはヤマトタマムシが、諏訪の森公園の樹間を飛んでいました。

さて、予告編に書いたアノ虫というのは、街路樹でおなじみプラタナスの樹につく外来昆虫、プラタナスグンバイのことでした。
去年6月には、ここ諏訪の森でプラタナスの葉っぱの裏に群れているのを、確認しています。
プラタナスの葉っぱがなくなる冬は、他の樹に移ってじっとしているはずです。
去年2月の探検隊では、ここ諏訪の森公園のケヤキやトウカエデの幹に、たくさんいたのです。
今年もさっそくチェックしてみますが…

いない…。
去年はあんなに越冬していたのに… どこへ姿をくらましたのか??

チビタマムシとアノ虫

もしかしたらプラタナスに残っているのかな?
結局、プラタナスの幹から数匹がみつかりました。拡大してみますと、ほら…このレースの翅が見たかったんですよ!
こんなミクロの美をもったムシですが、プラタナスの葉を吸汁して枯らしてしまう害虫でもあります。昨年のうちに駆除が入った可能性もあるものの、数が減ったほんとの理由はわかりません。

教訓:去年多かったからといって、今年も多いとは限らない!

同じ場所・同じ季節でも、年によって状況が変わっているのですね。
継続的に観察することの重要性をあらためて意識した、今回の探検隊でした。

次回は3月21日(月・振替休日)、多摩川左岸です。次回もいい天気を期待しましょう!

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