MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2016-09-25

バッタ博士と一緒に!ムシムシ探検隊9月の模様

9月は、直翅目のスペシャリスト、林 正人先生を講師にお迎えして、バッタ博士と一緒に!と題した探検隊を開催しました。
一昨年から連続の企画で、今年で3年目となりました。たちかわ水辺の楽校とのコラボ開催です。

もう、ほんと、今年の9月の天気の悪さは記録的でした。
中旬からの日照時間がほとんどゼロ。ところが9月25日のムシムシ探検隊、この日だけポッカリと晴れ!!!
みんなの願いと晴れ男・晴れ女パワーが実ったようです。

9時半にみらいパーク・メイキングルームへ集合して、ボス・キャプテンの挨拶につづき、林先生をご紹介。
さっそくみらいパーク前の多摩川へ探検に。

この1週間ほど、お日様がどこかへ行ってしまっていたので、ムシたちも、ずっと待っていたのでしょう。
久しぶりの晴天が幸いし、ムシたちが一斉に躍り出てきました。
林先生も、「この時期にここまで虫が多く見られる日は非常に珍しく数年に1日あるかどうか」と絶賛されていました。

模範演技!

直翅目(ちょくしもく)とは、かんたんにいえばバッタのなかまです。力強い後ろ脚と、翅をもっていますから、とにかく跳んで飛んで、すばしこいムシたちです。
そこで、狙った虫を確実にゲットするために、捕虫網の登場となります。
野外調査などでも行われる「正しい捕虫網の使い方」の模範演技を、林先生が魅せてくれました。

林先生が捕虫網を振ると、大きなもの、小さなもの、たくさんのムシが、網に入ります。
また、こどもたちが自分でつかえまえた虫たちを先生にみてもらい、種類を教えてもらいました。
初心者だけでは見過ごしてしまうような見分けのポイントも、ていねいに解説してくださいました。

直翅目・カマキリ目では、次のような昆虫を観察できました。
ウスイロササキリ
ホシササキリ

トノサマバッタめす

クビキリギス
オンブバッタ
ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタモドキ
トノサマバッタ
クルマバッタモドキ
ヒナバッタ
コバネイナゴ(長翅型)
シバスズ
マダラスズ
エンマコオロギ
ヒシバッタ類
コカマキリ
オオカマキリ

エンマコオロギの雌雄。左の♀には産卵管があります。

ウスイロササキリとホシササキリはよく似ていて、専門家でも間違えてしまうことがあるそうです。

トノサマバッタ(めす)のデカさには圧倒されました。

コバネイナゴは田んぼや草地でよくみられる黄緑色のイナゴで、通常はハネが腹よりも短いのですが、ときにハネの長いタイプ(長翅型:ちょうしがた)が生まれるとのことです。
そんな、比較的レアな昆虫も、林先生のおかげで気づくことができました。

そのほか、チョウ目ではモンキチョウ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、イチモンジセセリ、ツマグロヒョウモンなど。
甲虫目ではマメコガネ、ナナホシテントウなどを観察できました。

1時間あまりの野外観察で、短い時間ながら多種多様なムシとの出会いがあり、充実したフィールド観察会とすることができました。
まだまだ観察したい気分もありましたが、ふたたび、みらいパークへ戻ります。

講演風景

教室内で、林先生より30分間ほどのご講演をいただきました。
今年5月に日本直翅類学会で林先生が発表された、外来昆虫ツマグロツユムシの生態に関する貴重なレポートを、初心者向けにかみ砕いてレクチャーしていただきました。
国内でのツマグロツユムシの累代飼育の成功者は林先生を含めて2人のみで、その幼虫の写真などは、この夏に出版された本「鳴く虫ハンドブック」に世界初掲載された貴重なものばかりです。
専門的な濃い内容ながら、興味の尽きないプレゼンとなり、みんなも熱心に見入って、質問も活発に出ました。

先生はふだん、同じく虫のスペシャリストの方々と濃い虫話をなさることが多いと思われますが、こういった観察会の場で、こどもたちや家族連れにいろいろな虫話をするのも楽しい、とおっしゃっていただきました。
こういった普及啓発活動によって、少しでも多くの人が直翅目に興味を持ってくれたら、というのが先生の願いでもあり、ムシムシ探検隊としても、未来のムシ博士がうまれるきっかけになれば、とてもうれしく思います。

さて、立川市とムシムシ探検隊のコラボで「立川いきものデータベース」が始動しております。
このページで紹介しきれなかったムシたちの写真も、さっそく公開しておりますので、アクセスしてみてください。
また、今回の観察会や、そのほかの機会に立川市内で撮影した昆虫の写真をお持ちでしたら、ぜひ、ご投稿もお願いします。スマホからも、パソコンからも投稿できます。

林先生、今年も充実した観察会を、ありがとうございます!

関連情報 立川いきものデータベース

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