MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2018-01-21

2018初探検隊 虫と野草をみつけよう!の模様

新年おめでとうございます。
2018年はじめての観察会は、虫と野草を同時に観察する!という意欲的企画をお送りしました。

9:30、たまがわみらいパークへ集合。「さぼう」のテーブルをお借りし、参加者みなで自己紹介。
この日は晴れて暖かく、絶好の観察日和となりました(翌日は雪でしたが…)

初めてのご参加の方もいらっしゃり、総勢10名ほどのメンバーで探検開始です。

探検開始!!まずはオギをチェック。

目の前の多摩川へ出て、少し上流側の、草の深い所からムシ探しを始めました。

川べりへ行くとほぼどこでも群生している草にひそむ虫を、まずは探してみます。
この草、ススキに似ているけれど、オギといいます。そう、「荻窪」の「荻」ですね。
ススキよりも水分の豊富な場所を好み、匍匐茎(ほふくけい)でクローンをつくって広がるので、大きな群落になっています。
河原に生えていて「ススキ」と思われている草は、たいていオギです。

このオギの茎にところどころあいている、丸い穴。これがムシのしわざです。

オギの枯れ茎にひそむスジツトガの幼虫。

茎を開くと、中にムシが住んでいました!
スジツトガというガの幼虫です。
オギの他にもススキ、ササなどイネ科植物の茎に入り、「笹虫」とも呼ばれる模様。釣りのエサにもすることができるのだそう。
また、穴があいていても、中が「お留守」のことも結構ありました。鳥たちの冬の食料ともなっているようです。

日当たりが良かったので、草地にはナナホシテントウも出現していました。

さて、今日はもうひとつのテーマ、足もとの野草にも目を向けてみましょう。
野草の解説は、ムシムシ探検隊で食草の説明をしている池村氏が担当いたしました。

ノビルはネギ属のなかでも日本全土に生えていて、身近に利用できる美味しい野草です。
地下の白い玉(鱗茎:りんけい)の美味しさが知られていますが、土が柔らかくないと掘り出すのは大変…。もちろん葉っぱだけでも美味しいのです。
なお、細長い葉の植物にはヒガンバナやタマスダレなど有毒なものも同じような場所に生えてたりしますので、それらには注意が必要です。

真冬のカキドオシ。寒さに耐えて赤い色素をつくっています。

カキドオシは、河原の至るところでみられます。
地表に敷き詰めたような丸い葉っぱと、ミントにも似た香りが特徴です。日本のハーブの代表格です。ハーブティーとしても使えますし、天ぷらも香ばしくて良い野草です。
4月になると、茎を立ち上げてピンク色のかわいい花を咲かせます。その頃のカキドオシも美味しいものです。

河原にはさまざまな種類の小低木もあります。図鑑では落葉樹と書かれていても、北風の当たりにくいところなどでは、ノイバラやクコが緑色の葉をつけています。
半常緑、といったところでしょうか。実地の観察は大事です。
クコの葉は夏は苦味が目立ちますが、冬場は甘味がのって美味しく、シチューなどの料理の青物にも向いています。

初めてのご参加の方の中には、食べられる野草に興味を持って今回の探検隊に参加していただいた方もいらっしゃり、喜んでいただけたようです。

さて、もうじき山菜(山でなくても、たべられる野草全般)が芽吹き、野の恵みを享受できる最高の季節がやってきます。
でも、美味しい山菜のすぐ隣には有毒植物が生えていることが多々あります。
有毒植物の誤食による中毒事故は、残念ながら毎年発生していますが、そうならないためには、
・自信のないものは、採らない、食べない、他人にあげない
・図鑑との首っ引きは危険
・よく分かっている人に同行してもらう
などが、安全で楽しい山菜採りの基本です。もちろん、国立公園などの自然保護区では、採取は慎んでくださいね。

オオイヌノフグリの花は1日の生命。日々新しく咲きます。

この季節には野草の花も少なくはなりますが、ちょっと探すといろいろ咲いています。オオイヌノフグリの花は、真冬でも、日差しを浴びて可憐に咲きます。はっとするサファイヤブルー、心が和みますね。
このほかにもノゲシ(黄色)や、ホトケノザ(ピンク)の花も、冬を通してみられる野草の花です。ぜひさがしてみてください。

1月から「立川いきものデータベース」の野草の部もスタートしました。これからの季節、気づいた野草たちの写真を、ぜひぜひ投稿してください。
野鳥の部も、2月にはスタートする段取りで進行しています。これからの発展は、みなさんの投稿が原動力です。

今年2018年も、いきものたちの面白さを追って、盛り上がっていきましょう!

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