MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2018-07-08

ムシムシ探検隊 7月 玉川上水の模様

梅雨も早くにあけていよいよ夏本番。こどもたちの夏休みも間近に控えた7月8日の探検隊の模様です。
玉川上水での観察は今年の2月以来となります。
このWebをご覧になり、初めてご参加いただいた親子連れのかたも加わって、10名ほどの探検隊となりました。

ダイミョウセセリ

前回2月、寒桜のツボミもまだ固かった駅南口は、今日はピンクのネムノキの花が咲いて季節感を演出。
この日は雲の間から日差しも出て、午前中から暑さを感じる気候。やっぱり真夏ですね!
しかし、木陰が豊富な玉川上水沿いの観察路は風も吹き抜けて、ほどほどの快適な体感温度で観察を続けることができました。

駅南口から、西側の砂川方面に向けて探検しました。冬と同じコースですが、景色は全く違います。
クヌギやコナラは玉川上水沿いの主要樹種。冬には樹皮の隙間を狙ってクヌギカメムシの卵や、フユシャクの♀などがいましたが…

エゴヒゲナガゾウムシ(♂)

今は夏。夏のクヌギコナラといえば、こどもたちが楽しみにしているカブトムシ!ちゃんと♂♀ともに発見できました!
このレポートではカブトムシを出しておりませんが、ちゃんと見つかりました。

そしてカナブンやチョウ(アカボシゴマダラやタテハチョウ類)なども集まってくる、いわゆる樹液酒場も、樹上にありました。
10匹以上のムシたち大集合。ちょっと高いところにあって、望遠レンズがなくて良い写真が撮れず残念!

チョウ類では、ほかにもオニドコロが繁茂している付近で、これを食草とするダイミョウセセリも目撃しました。
そしてチョウよりもはるかに種類の多いガ類。シャクガの仲間と思われる開張3cmほどのものから、小型のものまで多様にみられましたが、ガの同定は難しいですね!

シャクガの仲間

さて、玉川上水沿いの樹木には、エゴノキも数多くあります。この果実に産卵するエゴヒゲナガゾウムシもみられるようになりました。
エゴノキの真下にある草の上にも複数が確認できました。樹が風で揺れて、落下しているのかもしれませんね。
♂は平べったい顔が特徴。ちょっと牛さんのようです。

甲虫類の多彩さでも夏を実感します。カブトムシ、カナブン、アオドウガネ、マダラコガネ、さらに小型のコガネムシ、ゾウムシ、ハムシ類など、挙げるとキリがありません。

後半は南側の遊歩道を駅へ戻りました。こちらは日当たりがあるので下草の植生が若干異なり、ノブドウやヤブガラシが咲き、蜜を分泌していました。
ナミアゲハアオスジアゲハがそれらの蜜をもとめて飛来していました。
アオスジアゲハは昔はそれほど多くないチョウだったようですね。現在は公園などに食草のクスノキがよく植栽されるようになり、よくみる普通種となりました。

アオドウガネ

こうして往復1.5kmほどの道のりを、2時間かけてじっくりと観察しました。その中で、下草の状態と虫の生息数に密接な関係のあることを実感しました。
下草に笹(ネザサ類)しかない場所では虫の種類・数ともに少なく、クズなどのマメ科、ノブドウ、オニドコロなどが混生している場所では、次々と虫がみつかりました。
植物の多様性が昆虫の多様性、生物多様性の基盤になっているということでしょう。緑道や公園の管理(草刈りなど)においても、生物多様性を意識した管理が広まるといいですね。

次回のムシムシ探検隊は8月19日(日曜)、矢川緑地です。
まだまだ暑いので、熱中症などにならないように体調管理に気をつけて、いきものたちの最盛期を楽しく探検しましょう!

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