MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2018-10-28

クモと昆虫の観察会が開催されました!

10月のムシムシ探検隊では、クモの専門家、蜘蛛談話会の新井 浩司先生を講師にお迎えし、【クモと昆虫の観察会】を開催しました。
ムシムシ探検隊の4年以上の活動の中でも、クモにフィーチャーした観察会は初めての試みです。
涼しい晴天に恵まれて、今回のフィールドである矢川緑地も秋の彩りを深めていました。

観察会風景とナガコガネグモ(右手前)

毎月の昆虫観察会の中でも頻繁に見つけるものの、いつも「クモ類」ですませてしまうクモの仲間たち…
今回はクモの種の同定ももちろん、生態の多彩さについても先生にご指導いただいて、迫ってみます。
いきものの各分野でご活躍の方々など、総勢20名ほどの充実したメンバーでの探検となりました。

この時期、フィールドを歩くと、樹間にはジョロウグモが、また草地の比較的低いところにはナガコガネグモが網を張っているのに出会えます。
ナガコガネグモの網にコバネイナゴがかかると、たちどころにクモが寄ってきて、糸でグルグル巻きに…
一方でジョロウグモの場合はまず毒牙で噛み付いてから、糸を少しだけ巻くのだそうで、種によって獲物を仕留めるやり方が違うのだそうです。

流れ沿いの低い草地の間には、壺型をしたナガコガネグモの卵嚢も見つけることができました。蓋のようなものがついています。
これ、親グモは卵を産んでから、糸で包んで周囲の卵嚢をつくるのだそうです。先に容れ物をつくるのではないのですね!

枝の間の、あまり高くないところにはカグヤヒメグモという風流な和名のクモが網を張っていましたし、シロダモなどの大きめの葉っぱには、ハグモの仲間が密な網を造っていました。
カツラの樹の根元にはジグモ類の特徴的な巣もみつかりました。家の土台などにもよく作られていますね。

新井先生の丁寧な説明にみんな惹きつけられました!

クワなどの低木の葉の上ではネコハエトリマミジロハエトリなどの屋外性のハエトリグモの仲間たちが獲物を求めて動き回っています。
またケヤキの樹皮のスキマには、キハダカニグモがほとんど動かずに、じっと獲物を待ち構えています。
網を張らないクモの仲間でも、積極的にパトロールするハエトリグモの仲間と、獲物が近づくのをじっと待つカニグモの仲間。クモたちの戦略は多岐にわたることを知りました。

クモは、苦手とする人も多い虫ですが、改めて迫ってみると、色かたちやサイズのみならず、その生態も千差万別であることに気付かされます。
今回のムシムシ探検隊、奥深いクモの世界の一端を見た思いです。
同時に、矢川緑地に生息するクモの種類が、想像を遥かに超えて多様なものであることを知りました。

新井先生にはまた、クモの観察会をお願いできたら嬉しく思います。先生、今日はありがとうございます!

クモ以外では、前出のコバネイナゴ、キタテハ、オオカマキリ、チョウセンカマキリなどなど、矢川緑地の秋の昆虫たちも元気に活動していました。
次回は11月11日、同じく矢川緑地で、昆虫と野草の観察会を開催します。
また、みんなで探検しましょう!

メヒシバの間につくられたナガコガネグモの卵嚢

ネコハエトリの顔

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