MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2018-11-11

ムシムシ探検隊11月 昆虫と野草の観察会の模様

11月の探検隊は、矢川緑地にて「昆虫と野草の観察会」を開催しました。
立川市環境対策課とのコラボレーションによる観察会です。

野草の講師は、ムシムシ探検隊スタッフの池村国弘氏(本業は植物園職員です)が担当!
2018年1月の「越冬中の野草」をテーマにして以来の、野草観察つき探検隊となりました。

辛味のあるヤナギタデ

まず木道脇で目についたのはタデ科の野草たち。
タデ科の中でも水湿地を好む種類が、矢川緑地には4種類ほど生育していています。

タデといえば「蓼食う虫も好きずき」の諺が有名ですね。
諺の「蓼」は標準和名をヤナギタデと呼ぶ一年草で、矢川緑地にも生育しています。
葉には独特の辛味があり、鮎の塩焼きなどの調味料に使われます。いわゆる本蓼(ほんたで)です。
辛味といっても唐辛子のようなホットな辛味ではなく、ビリビリとしびれるような刺激で、山椒の辛味に少し似ています。

すぐ横にはヤナギタデとよく似た草姿で若干赤みが強いタデ科もみられました。
こちらは辛味のないボントクタデ。矢川緑地は両者の比較観察ができる貴重な場所です。
このほか、茎にトゲがあって他のものに引っかかってよじ登るアキノウナギツカミ、それに似ているけれどトゲがなく自立しているミゾソバがピンクの花を咲かせていました。

ダイズとアズキの原種

野生の豆についても観察しました。
わたしたちの日常の食卓には、いろいろな種類のが登場しますね。
エンドウマメやソラマメはヨーロッパからアフリカ原産、インゲンマメやラッカセイは中米や南米原産で、それぞれ世界へ広まっています。
日常たべる豆類では、ダイズとアズキの2種類が東アジアの原産で、それらの原種が日本に自生します。
ダイズの原種がツルマメ、アズキの原種はヤブツルアズキという、どちらもつる性の一年草です。

矢川緑地では2種類の原種を両方とも観察でき、秋は実っている豆を観察できるいい機会です。
ミニサイズの枝豆のようなツルマメと、細長いサヤのヤブツルアズキ。豆の色はどちらも黒っぽいものです。
形状が、ツルマメでは楕円形、ヤブツルアズキでは角ばっており、それぞれダイズとアズキそっくりのミニサイズであることを観察できました。
ヤブツルアズキの方は都市部で観察できる例が少なく、矢川緑地に残る自然の豊かさを示していると考えられます。

かっこいい昆虫たち

もちろんいつものように虫たちの探検も楽しみました!
カメムシ類では矢川緑地でよく見つかるアカスジキンカメムシの幼虫を発見。背中の模様が笑い顔なので、通称ニコちゃん大王なんて呼ばれます。
テントウムシ類もおなじみナナホシテントウが今回もみられたほか、大型のカメノコテントウを今回は観察できました。

矢川緑地は東西およそ300m弱、無意識で歩いていると数分で通り過ぎてしまう広さですが、見る目を変えれば興味をそそるいきものたちが、たくさん棲んでいます。
今回の観察会では、そんなことも感じていただけたと思います。

次回は2018年締めくくりの探検隊、玉川上水を歩きます。お楽しみに!

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