MushiMushi Tachikawa
教育支援協会東京西
2015-09-27

ムシムシ探検隊 9月の模様

6月以来の、昼間の開催となったムシムシ探検隊・立川!
本日はたまがわ・みらいパークのイベントとしての開催です。
心配だったのは天気…
平成27年度のムシムシ探検隊は、今のところ無敗(雨天中止ゼロ)記録更新中!なのです。
ところが当日の朝は雨模様…(--;
今回は「雨用プログラム」も用意しており、雨でも開催OKな態勢で臨んだのですが、やっぱり外へ行きたいですもんね~!

さて、ムシムシビギナーズがメインのムシムシ探検隊・立川…今回はひと味違い、直翅類のスペシャリスト、林 正人先生を講師にお迎えしての観察会です。

おっ!!みんなの願いでしょうか。9時半少し前に雨が上がりました!
ならば、外へ~(^O^)/
出発の時、林先生は、きょうの目標として「バッタ目、15種みつける!」と宣言。
さあ、達成できるでしょうか??

みらいパークから近くの多摩川の土手へ。
いろいろなバッタ、コオロギのなかまが、土手の草の間を行き交っていました。

先生!先生!先生!

ムシムシ探検隊・立川では、何かを見つけたら、みんなで観察するためにも
「みつけたよ!!」と大きな声で知らせよう!
をルールにしています。
そして、さっそく…

せんせい!これは~??
と、見つけたムシムシを手に、先生へ質問タイム!
ミスター林、大人気です!

すかさず林先生、「これはクルマバッタモドキ」「ハラオカメコオロギだね!」…と、次々と種類を判定していきます。

珍しめのクマスズムシも確認できました。
このペースなら目標達成もイケルかもしれません。

キリギリスやツユムシのなかまは、ホントによく似ておりますね!

右上:クビキリギス 左下:ヒメクサキリ

こちらの2種類の虫も、似ておりますが…
右上:クビキリギス
左下:ヒメクサキリ
です。
クビキリギスの方が、頭頂が尖っているのが見分けのポイントとのこと。

専門家でも一見すると間違えることもあるそうですよ。

ヒメクサキリは、冬が来る前に死んでしまいますが、クビキリギスは、成虫越冬です。このクビキリギスも、来年の初夏まで生き続けるはずです。
春4月頃、暖かくなった夜に…
ジーーーーーーーーーーー
って鳴いている虫の声、きこえますよね。あれが、越冬からめざめたクビキリギスです。

カマキリはコカマキリのみ、確認できました。
今回のフィールドが背の低い草地メインでしたので、地上性の強いコカマキリだけが見つかったのかもしれませんね。

11時近くなって、すこ~し、また雨がポツポツしてきました。
そのまま観察を続けることもできそうな小ぬか雨ですが、せっかくですから、先生が作成された講義資料も見てみたいです。
というわけで、観察しながらゆっくり、みらいパークへ戻ります。

ムシムシ初!講義風景

みらいパークで、部屋にプロジェクターをセットして…
ムシムシ探検隊史上、初の座学!昆虫の授業です~^o^
テーマはカマキリのおはなし。
外来昆虫「ムネアカハラビロカマキリ」が、最近増えていて、在来の昆虫の生息をおびやかしているという話です。

こどもたちも一生けんめい画面を見て、理解しようとがんばっています。

ムネアカハラビロカマキリは、中国大陸あたりが原産と考えられている外来種のカマキリで、日本在来のハラビロカマキリに比べて…
全体に大型
前胸部の下側が赤っぽい(名前の由来)
前胸部が長い
前脚(カマ)基節の白い小突起の数が多い
緑色型のみ
どう猛
といった違いのあること、またコレが侵入した地域では在来のハラビロカマキリがいなくなってしまうこと、東京では高尾周辺で見つかっていること…など、教えていただきました。
先ほど歩いた河原では、爆弾みたいな実をつけた外来植物アレチウリがはびこっていましたが、昆虫の世界でもそういった懸念があるのですね…。

ムネアカハラビロカマキリ(林先生飼育個体)

林先生が飼育されているムネアカハラビロカマキリと在来のハラビロカマキリも、みんなで観察しました。
やはり生きて動いている実物をみると、ハラビロカマキリよりも大きくてどう猛なムネアカハラビロカマキリにはインパクトがあります。

さて、今回みられたムシムシたちのまとめ。

バッタ目
・オンブバッタ
・ショウリョウバッタ
・クルマバッタモドキ
・トノサマバッタ
・ヒシバッタ
・ヒナバッタ
・ホシササキリ
・ヒメクサキリ
・クビキリギス
・ツユムシ
・クサキリ
・エンマコオロギ
・ハラオカメコオロギ
・ツヅレサセコオロギ(鳴き声のみ)
・クマスズムシ
・マダラスズ
・シバスズ

カマキリ目
・コカマキリ

チョウ目
・モンキチョウ
・ヤマトシジミ
・ベニシジミ
・ジャノメチョウ類(おそらくヒメウラナミジャノメ)
・セスジスズメ幼虫

コウチュウ目
・ナナホシテントウ
・オジロアシナガゾウムシ(通称パンダゾウムシ)
・ハムシ類

セミ目
・ツマグロオオヨコバイ(通称バナナムシ)

1時間少しのフィールド観察で、バッタ目の昆虫は、姿の見えたものだけで16種を確認。
めでたく目標達成です!!

ムシムシビギナーズだけですと「バッタのなかま」のひとことで終わってしまうところですが、今回は林先生のご活躍により、すぐに種まで判って、知的好奇心も満たされた、楽しい観察会となりました。
さらには、学会発表なみの講義もしていただき、勉強にもなりました。
こどもたちにも知的な刺激となったことと思います。

林先生、ありがとうございます!

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